INTERVIEWプロジェクト紹介

コロナ禍にも負けず
海外展開を着実に推進!

三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社

廃棄物処理プラントという巨大な施設の建設、運転・保守にあたって、様々なプロフェッショナルなパートナーと連携している三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(以下、MHIEC)において、自社最新の海外プロジェクトを担当したチームに話を伺いました。

渡部 亮介(営業担当)

海外進出の展望

日本国内ではここ数年、廃棄物焼却施設の更新や延命化工事が相次いで計画、実行されています。これは1990年代後半から2000年代前半に稼働を開始した施設が寿命を迎えているためです。
廃棄物焼却施設のニーズは、国や地域の一人当たりのごみ排出量やGDP、環境規制、最終処分場のキャパシティなどの条件で変化しますが、日本国内における需要は当面横ばいで推移することが見込まれています。弊社では、経済成長が著しく環境規制の強化などの需要が高まる中国をはじめアジアを中心とした海外展開を積極的に推進しています。
今回ご紹介するのは、2021年3月に納入したばかりの中国の最新プロジェクトになります。プロジェクトにはプロジェクトマネージャーを中心に設計、調達、建設、営業などの各部門と、MHIECの中国現地法人である菱重環環境技術服務(北京)有限公司(MHIECC)とも連携したチーム体制で臨みました。

孝感市一般廃棄物焼却発電プラント

大型焼却炉を導入した考感市初の
一般廃棄物焼却発電プラント

日本国内で導入される焼却炉はだいたい1基あたり1日の処理量が50〜100t程度の規模になりますが、今回の炉は750t、およそ10倍の規模になります。
中国・湖北省孝感市に建設された大型の一般廃棄物焼却発電プラントに、この最新鋭のストーカ式焼却炉を2基納入しました。同施設は、1日約1,500tの一般廃棄物処理能力を有するとともに、焼却する際の余熱を利用して発電することが可能です。孝感市としては初の一般廃棄物焼却発電プラントとして商業運転を開始後、重要な環境インフラ設備の一つとして同市の生活基盤を担っています。

小田野 貴宏(詳細設計担当)

多くの人員が現場に入れない状況をリモートでカバー

コロナ禍において当プロジェクトは2020年の年明けから2カ月中断し、3月にようやく再開できたものの、その時点では中国への外国人入国規制により当社は現地に日本人SVを派遣出来ない状況でした。
そこで、現場で動けるメンバーが極めて限られる状況のなかで精度の高い工事や状態確認を行うべく、現場施設内の様々な場所の状況を共有するためにスマートフォンやスマートグラスなどのモバイルデバイスを駆使して画像・映像での情報共有を行うなど、その場に応じて積極的に新たな手法を取り入れていきました。
一方で、新たな課題として、リモート下のコミュニケーションに不可欠な通信環境の整備が挙げられます。もともと大規模な施設の工事ということで都市部から離れており通信環境が良くありません。広大な敷地の中では電波の悪いエリアや、また時間帯によっては全く通信ができない、といったこともありました。

王 維弘(機械工事担当)

「限られた現地メンバー、限られたコミュニケーションの機会の中でも、現場と社内のかけ橋になれるように尽力した」

当時の現地の様子を本プロジェクトの中国国籍メンバーの1人である王維弘は次のように語ります。
「隔離期間を終え、PCR検査を重ね、やっと現地へ到着しました。現地入りした当時、工事は徐々に再開したものの、炎天下でマスクを着用しての作業環境は過酷でした。社内の支援を得ながら、感染防止や熱中症対策資材を入手することができ、懸命に安全・安心な作業環境を実現しました。
しかし効率的に工事を進めるには、社内との情報共有を密に実施する必要がありましたが、通信環境不備で音信不通になることが多々ありました。現場と社内のかけ橋作りに、毎日のように頭を抱えました。」

小高 成貴(詳細設計担当)

いま出来ることを徹底して見直すことで業務を効率化

本プロジェクトは現地サイトでの対応が佳境となる時期にコロナ禍が重なり大きな影響を受けたものの、結果として、プロジェクトの延期を最小限に抑えることに成功し無事納入に至っています。
たとえば日本人メンバーが渡航できない期間は、先行した中国国籍メンバーのみで据え付け工程の最終段階指導、機器単体調整等に対応する必要があったので、隔離期間中の中国メンバーと、日本に残っているメンバーで毎日議論を重ね、機器単体調整等の要領についての理解を深め、中国メンバーの現地でのスムーズな対応につなげました。
ようやく日本人メンバーが渡航できるようになったところで、次は隔離期間が待っています。その際は仕事の整理と資料化、その後行う試運転などの段取りをまとめた要領書の作成など、メンバー全員の意識共有や勉強を兼ねて議論を実施できました。
こういった普段じっくり時間をかけにくい部分を入念に、メンバー間でのコミュニケーションを密にとりながら取り組んだことが、プロジェクトの効率化、スケジュールの挽回に貢献できた要因の1つだと考えています。

澤本 嘉正(製品責任者)

離れていても高品質を保つための
遠隔監視技術の導入

多くのメンバーが現場に入れないながらも工夫を凝らしプロジェクトを進行していきましたが、試運転が進むにつれ、渡航できて現場に入ることができた中国人エンジニアだけでは十分な対応が困難になりました。そこで導入を検討したのが遠隔監視技術による試運転の支援です。
遠隔監視は、もともと日本国内のDBO※1プロジェクトを中心に導入されている技術で、MHIECの横浜本社と各地のプラントを専用回線でつなぎ、ごみの投入量、炉内の温度や圧力、燃焼空気量、蒸発量、排ガス性状といった情報をリアルタイムで共有。必要に応じ、横浜本社から現場に指示を送る仕組みです。この遠隔監視を孝感市での焼却炉の試運転にも取り入れ、将来に向けたノウハウを蓄積できました。
遠隔監視による試運転指導は、海外など地理的に遠い現場へのサポートとして有効な手段であると改めて感触を得ることができましたので、今後も、リアルとデジタルの組み合わせで業務の効率化へ積極的に取り組んでいきたいと考えています。
※1 Design Build Operate(デザイン・ビルド・オペレート)の頭文字。設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注するもので、公設民営の一つの方式。

PROFILE

プロフィール

三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
  • 神奈川県横浜市西区みなとみらい4丁目4番2号 横浜ブルーアベニュー
  • 1976年2月 設立
  • 国内外における都市ごみ焼却施設などの各種環境設備のEPCおよびO&M。
  • 三菱重工業(株)が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承。多数の実績に基づく建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしている。
  • ※本インタビューにおける会談の風景では、実際はマスクをして会談をおこない、撮影時のみマスクを外して対応いたしました。